というかただの萌え話。
原曲の解説では主人公の少女は大戦で命を落とした少女、と言う事なのでこの話でも二人は最初から命を落としています。
今回は『それ』が原因で起こった悲劇の物語。それがまず前提。
では画像解説。
最初のここでわっくんが手を掲げてますが、これは歌詞の『0と1』にかけてます。
わっくんが『1』でケイが『0』。何故ならケイは『破壊』を司り、わっくんは『再生』を司るから。
その解説は後半にかかるので後で。
物語の始まり。わっくんはこの時点で命を落としていて、電脳世界に心だけが彷徨っている状態。
本当はそのまま消えてしまう筈だったんだけど、心残りがあって微かな意識だけが電脳世界に残ってしまったんですね。
でもそのままだとただのノイズに過ぎなかった。彼を目覚めさせた人がいた。
『人の「ココロ」開く 鍵<Password>』『一条の光~』という歌詞に合わせて、ウイルスと化したケイを止める為のワクチンとして惑は再び目を覚ます事になるのです。
憎しみで閉ざしたケイの心を開く鍵であり、バグに侵された世界の光となるように。
ちなみに歌詞に『照らす青い瞳』とあるので、強調の意味も込めて惑の目を光らせています。
で、わっくんより先に具現化したケイは電脳世界を破壊する『ウイルス』として破壊活動をしていたのです。
その背中に生えた黒い翼がウイルスの証。その翼があれば電脳世界のどこへでも好きに移動が出来るのです。
そして『ワクチン』として再生された惑はどこかにいる『ウイルス』を探して電脳世界を走り回る。その間にもケイは世界を滅ぼす為にあちこちでバグを増やしながら。
その痕跡を辿りながら、使命を果たす為にも惑はずっと走り続けてた。
『有機物質<Virus>達が蠢く空 侵食の森』という歌詞の通り、惑が知ってる世界はとても綺麗だった。けれど、どんどん『ウイルス』達に浸食されて行ってたんですね。
『人の夢の形状<カタチ>? 実態は無い』
二番の歌詞ですが、それがケイを意味してる。ケイはもう死んでいる身なので実態は無い。電脳世界でしか生きられない、本当の『ケイ』が残した思念体。
彼の中にあるのは、強い憎しみと、深い悲しみだけ。
『ワクチン』として世界を修復しながら『ウイルス』を探していた惑は、その『ウイルス』が『誰』であるのかに気付いてしまう。
それがバグを修復した時に見つけた一本のナイフ。
うちのケイの武器は双剣なのですが、この前のシーンで一本落としてしまってるんですね(だからずっと一本しか持ってない)
それを拾った惑は、何もかもを悟るわけです。どうして自分が『ワクチン』として再生されたのかも、何もかも。
『響くその旋律<Melody> 注ぐ 雨のように 』
そのナイフを通じてケイの嘆きは伝わってきた。苦しみも伝わってきた。だからわっくんは凄く悲しそうな顔をしてるのです。
『ウイルス』であるケイの行動はすべて『人間』への『憎しみ』。
『今始まる私の哀歌<Elegy> 最後の声』
その歌詞にかかるのは、すべての人の滅びと、そして自身の嘆きの悲鳴。
『ウイルス』と化し、人を、世界を壊し続けるケイだったけれど、本人も苦痛に蝕まれてた。
尽きない憎しみに体中が侵され、苦しくて苦しくて最後に悲鳴をあげた。
その声をわっくんは聴いたわけです。彼の悲痛な叫びを。
そうして惑は白い翼を広げた。その翼は『ワクチン』の証。それはケイを止める為の力。
……話とは関係ないですが、効果線のMMEが動いてくれなくて、けど効果線無いと迫力が出なくて、悩んだ末デジタルトーンを貼る、という力技(笑)
動画の解像度がでかいせいで画像もまたくっそデカいからサイズに合うトーンにするのがちょっと大変だった……(拡大するとぼやけるので)
Rayと相性悪いのかなー……めそ
そして過去。すべての始まりになった事件。まだこの時は二人とも生きてる。
この後、ケイの目の前で惑は殺された。ケイを庇い、その命を救う為に。
何故自分達がこんな目に合うのか。ケイにはその理由がわからなかった。彼はただ巻き込まれただけで、その事件の『真相』は何も知らない。
ケイを助けてくれ、と惑は自分の命を引き換えにしたけれどその約束は果たされる事なく、その後。ケイもまた彼らに殺されてしまうのです。
巻き込まれた、とは言え知ってしまった者を生かしておくわけにいかなかったから。
そして死の瞬間。ケイはすべてを呪ったわけです。どうして、という疑問と絶望と、そして強い憎しみと。
その想いは電脳世界に焼き付き、それはやがて『ウイルス』となった。
自分達を殺した人間たちに復讐を。ただそれだけの為に。
裏設定としては、組織が本当に欲しかったのは惑。惑のその優秀な頭脳と能力が欲しかった。
だから惑は自分が狙われているのを知っていた。この物語の舞台になっている電脳世界のパーツとして組み込まれる筈だったのもすべて知ってた。
けれどそれはトップシークレット。外部に漏れれば命が危うい。だから惑はケイに何も言えなかった。
本当に、本当にただ彼は組織の陰謀に巻き込まれてしまっただけだったから。
ちなみに裏設定の一つとして、ケイが巻き込まれたのは惑の所為。頑固に逆らって服従しようとしない惑を動かす為の人質みたいなもの。
誰でも良かったのです。惑の友達とか知り合いとか、兎に角近くにいた人であれば。
何も知らない一般市民である彼を、惑はなんとか救いたかった。その思いは叶わなかったけれど。
ちなみにこのシーン、めっちゃ作る時痛かった……泣きそうだった……
ここケイのソロですが、歌詞が彼の心境、という解釈です。
そしてラスト。
ケイを見つけた惑は『ワクチン』として彼を止める為に戦い始める。
『あぁ 崩れて逝く光の海 「0」と「1」砕ける宇宙』
その歌詞がすべての『終わり』を意味するイメージ。
『0』も『1』も消えてしまうのです。
最後の動画でケイを抱いた惑が最後に消えてしまうのも上記歌詞に続き、最後の歌詞『暗い夢の後のように 静まり返る』というのにかけていて、悪い夢は終わった、とすべてがなくなって静かになっていく、というイメージ。
ケイを止める為にだけ存在する惑は、ケイが動きを止めればもう存在する理由はない。
『ワクチン』は『ウイルス』とともに役目を終えて消えていくのです。
消える瞬間、わっくんは笑って消えていくんですね。
最後に残った心残り。置いて行った彼がずっと心配だったから。ほんの少しだけ残ったその心残りもなくなり、やっと彼もまた眠りについた、と。
すべて終わったから笑ってるわけです。
惑に倒されたケイにはもう憎しみは残ってない。『ワクチン』としての惑の力で全部洗い流されてしまったのです。
もう苦しくもないし、辛くもない。
そんな二人の物語でした。
最初の動画部分は、物語の終わりと始まりの境目。
テッドさんがいる荒野で、彼は『何か』と戦ってた。『何か』が何なのかは決めてない。
けれどその最中、テッドさんはイアを失ってしまうんですね。
奪われたというか。そして、テッドさんは敗北し、逃げてきた。
もしかしたらイアたんが自分の身と引き換えにテッドさんを逃がしたのかもしれない(決まってない)
すべてを失い、ただ当てもなく彷徨っていたテッドさんはとある町に辿り着く。
意味もない訪れだった。ただ通り過ぎるだけ、一時的に身を寄せるだけの街。だからテッドさんは周りを見てないんですね。だって同でも良かったから。
イアのいない世界で、ただ生きているだけ。
そんな街にまきなちゃんが住んでた。
いつも通る道をいつものように歩いてた。『日常』は変わらずそこにあって、ふと見上げた空から雪が降ってきて、あぁ、もう冬になるのか、そんな事を思ってた。
そして二人が出会う。
ただ通り過ぎるだけだった。見知らぬ人で終わる筈だった。
でも、ふと顔をあげたその先にお互いがいて、目が合ってしまうんですね。
そうして、この物語は幕を開けていく。歌詞とおんなじ。
そしてテッドさんはまきなちゃんと仲良くなり、二人は恋人同士になるわけですが、テッドさんはイアの事を忘れていない。
ふとした時に思い出して遠い目をするんです。イアの事を思い出してる。
いつも傍にいたまきなちゃんは、当然そんなテッドさんの仕草に気付く。
恋人を失った事は知ってる。そして、どこか切なそうに、愛しそうに見るその瞳にイアの影を見てしまう。
ずっと傍にいるのに、彼はまだ彼女の事が好きなんだ、って。
両想いなのに、片思いをしているようなそんな気持ち。
そしてまきなちゃんの不安は現実になる。
時空を超えて飛んできたイアのヘルプコールをテッドさんが受け取ってしまうんですね。
もうイアはいない、二度と会えないんだって思ってたテッドさんはそれに酷く動揺するんです。
だってもしかしたらイアを取り戻せるかもしれない、そんな希望を感じたから。
死んでしまったとさえ思ってた人が生きていた。その事実にも。
けれどもうこの時、テッドさんはまきなちゃんと恋人同士になってた。
だからテッドさんは物凄く悩むわけです。
まきなちゃんの事が好き。けど、イアを忘れられない。まだ、彼女を想う自分がいる。
イアを取ればまきなちゃんを捨てる事になる。まきなちゃんを取れば、イアを見殺しにする事になる。
どちらも取れない選択肢の中、物凄くテッドさんは悩んでた。だってどっちも好きだから。
テッドさんが下した決断は、まきなと別れてイアを取り戻す事。
多分、迷うテッドさんの背中を押したのはまきなちゃん自身かもしれない。
テッドさんが心の奥ではまだイアの事が好きだと思ってる事を感じていたから。
そうして、テッドさんはイアのいる所へ真っ直ぐに向かうんですね。
まきなちゃんを捨てた自分に出来るのは、それだけだと。まきなちゃんの気持ちに応えるためにも。
イアを失ったテッドさんはずっと寂しかった。
ずっと傍にいてくれた彼女がいない時はとても孤独だった。
この辺は歌詞にも絡めてある。
けれどそんな孤独だったテッドさんを支えたのは、やっぱり愛した人だった。そんなシーン。
此処に出てくる指輪は、最初イアの指輪にしようかと思ってたんだけど、まきなちゃんとどっちにもとれるようにしたくて、普通の指輪になりました。
テッドさんが恋人に贈った指輪。だからちょっと小さめ。
過去のシーンとして、イアに贈ったものでもいいし、未来のシーンでまきなちゃんから返された指輪でもいい。
確かにテッドさんはどちらも愛していたから。
間奏のシーンは、テッドさんが旅立つその直前のシーン。つまりまきなちゃんと別れるシーン。
さよならってテッドさんは告げた。
イアの元に行く事、まきなちゃんともう一緒にはいられない事。それも全部ちゃんと彼女に告げて。
そして、最後に別れのキスをした。そんなイメージ。
最後だから、この時だけはちゃんとテッドさんはまきなちゃんだけを見てた。まきなちゃんを愛してくれた、まきなちゃんだけのテッドさんだった。
そうしてまきなちゃんと別れたテッドさんは再びあの荒野に戻り、ひたすらイアを求めて戦い続けた。
例え命を落としても構わない、そんな決意で。
そんな戦いの中、やっとテッドさんは捕らわれたままのイアを見つけ、その手に取り戻すのでした。
で、最後。
まきなちゃんとテッドさんが交互に入るこのシーン。
テッドさんは取り戻したイアをもと二度と離さない。そして愛していると告げるように口付けた。
そんな幸せ一杯のテッドさんの裏で、まきなちゃんはひたすら祈った。
つかここのシーンのまきなちゃんはテッドさんと別れた後でも前でもどっちでもいい。どちらにもなるように作ってある。
ラストのサビの歌詞
『誰もみな泣いている だけど信じていたい
だから祈っているよ これが最後の恋であるように』
これがこの物語のまきなちゃんの気持ちすべて。
まきなちゃんが祈った『恋』が自分とテッドさんとの恋なのか。それともテッドさんとイアとの恋なのか。
テッドさんに恋したまきなちゃんが、この恋が最後になりますように、と幸せそうに祈るというのと
再びイアと巡り合ったテッドさんがまた悲しい思いをしなくてもいいように、二人の恋が終わりませんように、と祈る
その二つの意味をこめたシーン。
だからまきなちゃんの顔が出てこないんですね。
祈るまきなちゃんは笑っているのか、泣いているのか。そのどちらでもとれるように。
最後。
うちのまきなちゃんはとっても前向きで、ポジティブ。
この恋は悲恋で終わってしまったけれどでも前を向いて歩かなきゃって笑える、そんな強さを持ってる。
そして、テッドさんはそんなまきなちゃんが大好きだったんです。
もう抱き合う事の出来ない二人だから背中合わせ。
もしかしたら生きてる世界そのものが違う二人だったかもなぁ、なんて。
だからもう二度とまきなちゃんはテッドさんに会う事はないんだろうなって。
彼は元の世界に帰ってしまったんだから。
そんな妄想が捗った、そんなPVでした。
この世界のテッドさんはとある施設で作られたキメラ。『私は神の子供』という歌詞の通り、『神様』として作り出された。
その施設は宗教施設みたいな感じで、人々に救いを与える神の化身、という存在として生まれたわけです。
そうして生まれたテッドさんだったけれど、その結末は悲惨な物だった。
救いを与えるはずだったのに。人を幸せにするために作りだされた存在だったはずなのに、テッドさんはその施設にいた人達を全員殺さなければならなくなった。
テッドさん自身は、自分は誰かを救う存在だと信じているから、こんな結末になってしまった事は不本意で、そして悲しかった。
そんな筈じゃなかったのに。そんな風に思ってる。
たった独り生き残ったテッドさんは人に紛れて生きてきたけれど、まだその手には信者達を手にかけた感触が残ってる。その血が見えてる。
『倒れそうになるのを この鎖が 許さない』
テッドさんを縛り付ける『鎖』になってしまったその事件は彼の消せないトラウマになった。
そしてデフォ子さん。
散らばるのは藤の花。藤は女性を表し、その花言葉は『やさしさ』『歓迎』『決して離れない』。
テッドさんを受け入れるかどうかで揺れるデフォ子さんの心、みたいなかんじ。
彼の存在はデフォ子さんにとって歓迎すべきものだったけれど、気持ちがまだ追いつかない。上手く整理しきれてないそん複雑な乙女心。
ちなみにこの次でわかるんだけど、『受け入れ』てはいるんです。テッドさんに依存してる関係。でも、上手く心の整理が仕切れてない、っていう。
二人の出会い。降り続く雨は二人の心境。
デフォ子さんは救いを求めて泣いていた。そしてテッドさんは誰かを救いたかった。
だからこそ、デフォ子さんのヘルプコールをテッドさんは拾い上げたのです。
まだ彼は『自分は誰かを救える』と信じてた。つか信じていたかったから。
だから今度はデフォ子さんを救おう、と彼女に手を差し伸べたわけです。
うちのデフォ子さんは生体ベースのアンドロイド。
元々は普通の少女だったけれど、事故に遭い、身体を機械化する事で生き延びたけれど本人はそれを受け入れてない。
どうして自分は生きているの、どうして自分は此処にいるの、ってずっと思ってる。
自分の存在意義を探す彼女に、テッドさんはずっと此処にいていいんだよって繰り返すわけです。
『「理由」をもっと喋り続けて』って歌詞と同じく、夜に眠れないデフォ子さんの為にずっとテッドさんは囁き続けた。彼女が眠れるように、その手をずっと握りしめて。
でも、本当はテッドさんだって眠れなかった。
だからデフォ子さんが寝入ってしまっても、ずっと自分は起きてたんです。
手にするタバコは精神安定剤みたいなもの。デフォ子さんの為に火はついてないけど。
『ここに声もないのに 一体何を信じれば?』
テッドさんもどうしたらいいのか、わからなくなってた。
デフォ子さんのトラウマ。
彼女の身体には事故の時についた傷が残ってる(わき腹と脚)その中でも一番酷くて大きいのが背中の傷痕。
『背中に爪痕を付けて』って歌詞にある『爪痕』がこの背中の傷。
これがあるからこそ、デフォ子さんは泣くんです。どうしてこうなってまで生きていなきゃいけないの?!そんな思い。
こんな酷い身体になってまで、生きていたくなんかない。そう思ってる。
余談ですが、設定上は機械の身体でパーツが見えてる身体なんだけどモデルの都合で身体は生身のままだったりします。
ついでに。デフォ子さんの身体の傷をテッドさんが見れるという事はそーゆー関係。
デフォ子さん自身は自分の身体に価値などないと思ってる。
でも、そうやってデフォ子さんが泣くたび、テッドさんは悩み続ける。
『俺はやはり誰かを救う事は出来ないのか?』って。
たった一人、ずっとずっと悩み続けた。本当は凄く怖かった。デフォ子さん一人救う事が出来ない自分は、『神の子』ではやはりないんだろうか、って。
そうやって悩み続けてきたテッドさんにデフォ子さんは叱りつけるんです。
何やってるの、って。あなたは私を救い出してくれるんでしょう?って。
この頃はもう一緒にいる時間も長くなっていて、だいぶデフォ子さんの傷も軽くなってきた頃。
だからこそ彼女はテッドさんと向き合えた。彼の傷に気付く事が出来た。
傷は消えない。痛みはなくならない。
でも、デフォ子さんはテッドさんに救われた。そして、テッドさんもデフォ子さんに救われた。
だからテッドさんは思わず彼女を抱きしめたわけです。
ずっと誰かを救う事しか考えてなかった彼が、やっと縋れる相手を見つけたというか、自分も救われていいんだと思ったというか。
どちらか片方の関係じゃなくてお互いが与え合う。そんな関係。
その後。
同じように肌を見せてもデフォ子さんは泣かなくなった。笑えるようになった。
それはまだテッドさんだけで、彼にしかその肌を見せる事はないのだけれど、それでもテッドさんの前でなら、身体を縮ませて隠す事もしなくていい。堂々としていられる。
そんな心境の変化。
この世界に産み落とされた二人が、それでも生きていく為に寄り添って生きていく事を決めた。
そんなイメージがラストの一枚。
二人が住んでいる部屋はがらんどうで、何もない、殺風景でモデルルームみたいに生活感がないイメージ。
『どこにも居場所なんてない』って歌詞にもかかってる。
行き場のない二人が辿り着いたのがこんな場所だったんじゃないかなって。人の温かさが感じられない場所。冷たい所。
そこで感じられたのはお互いだけ。手に入れた温もりはそれだけ。
でも、きっと。そんな寂しい場所でも二人はそれなりに幸せなんじゃないかなぁって。
だって二人が求めた『救い』は人が思うそれではなかったんだから。
そんな妄想。
テドモモ世界のテッドさんは、生まれた時に異なる生物を無理矢理重ね合わせた(キメラ化した)所為で遺伝子が狂い、身体が極端に脆い、という設定です。
そんなテッドさんの身体の面倒をみているのがモモちゃん。
最初の動画は最後のと対になっています。
まだこの頃のテッドさんは笑って自分が死ぬのを受け入れてた。というか自分は死ぬものだと思ってたと言うか。
だからどうせいなくなってしまうのだから、モモに降る雪になって消えていきたい、そんな気持ち。
幼い頃のテッドさんは、その身体の所為で無菌室から出る事は許されなかった。
真っ白なその部屋でただ外を眺めてた。
外に出たいと思っても、出れない事はちゃんとわかってる。
そんな希望を塗りつぶすように四角い空から降る雪を眺めていた。
そんなテッドさんだったけれど、大きくなってモモと出会い、モモと一緒、という条件付きではあったけれど外に出る事が許された。
寿命に限りがあるのなら、もう終わりが近いのなら、やりたい事をやらせてあげよう。そんな感じ。
まだこの頃は元気だったから二人で並んで桜を見に行けた。二人一緒に『春』を感じる事が出来た。
嬉しそうなテッドさんを見ているのがモモには嬉しかった。幸せだった。そんなハネムーン期。
でもテッドさんにとっては外の空気は毒でしかなく、どんどん身体は弱っていく。
血を吐いたテッドさんは自分の寿命の限りが迫っているのを感じていた、そんなシーン。
あぁ、もう終わるのか、そんな感じ。
当然モモちゃんだってわかってる。テッドさんが長生きできない事。もうすぐ死んでしまうだろう事。
でも、今。彼の身体はこんなに温かい。まだ彼は生きてる。
しかしその陰りが出始めてる事は体調の管理をしてる自分には凄く良くわかっているから、テッドさんが眠っている時。凄く不安になる。
あぁ、彼のこの熱に溶けてしまう事が出来たなら。そんな風に思ってる。
願うのは、ともに終わりを迎える事。無理だというのはわかっていても、モモはずっとそんな未来を信じてた。
何度も倒れては病院に運ばれる。それはある意味いつもの事で、また倒れてしまったテッドさんは病室で看病してくれてるモモを見上げてた。
もうすぐ自分は死ぬ。モモを確実に泣かせてしまう。その涙を拭ってやりたいのに、ってそんな事をテッドさんは考えてた。
出来ないとわかっていても。
たった今だって、身体が重くて動けないテッドさんは気丈に笑う彼女に手を伸ばす事すらできていないんだから。
この辺は歌詞と同じ。
『いつか』また来よう、なんて約束しても次に来れるかどうか。その時までテッドさんが生きているかわからない。
嘘になってしまう『約束』を、それでもモモは笑って信じてくれた。
『自分はもう死ぬ』。そう思ってるテッドさんに『ずっと一緒だよ』って何度もいってくれた。
月日が経つたび、テッドさんの身体は弱っていく。
二人で何度もデートした散歩道も今では一人で歩く事もままならない。
モモの手を借りながら、それでもモモは『二人で』出かけた。
同じ道を、同じように。
でも、その命の終わりを二人ともひしひしと感じていたけれど。
テッドさんが倒れるたび、本当は凄く不安だった。
これが最後の発作になるかもしれない。意識を失った身体が再び動いてくれるだろうか。
いつだって怯えてた。物凄く怖かった。
抱きしめた身体がまだ温かい事。心臓の鼓動が伝わってくる事。
それを感じるたびホッとした。まだ彼が生きていてくれると。
震えながら、怯えながら過ごす日々。でも、モモちゃんはその恋を捨てる事は出来なかったのだけれど。
最期までその傍にいると決めてしまったのだけれど。
ここの時間軸はテッドさんがまた生きている頃か、それとも死んでしまった後なのか。どちらでも取れるようにしたつもり。
テッドさんが入院してる時、家にいるのはモモ一人。
彼が帰ってくると信じながら待つ事しか出来ない。残されたのは写真の中の思い出だけ。
沢山の愛情と思い出を抱きしめてモモはいつも一人で泣いてた。
テッドさんの前では絶対に泣く事はしなかったし、弱音を吐いたりはしなかったけれど、一人きりの時はどうしても泣いてしまう。
戻ってきて。早く帰ってきて。そんな事をずっと考えてた。
貴方がまだ生きている事を感じさせて。そんな感じ。
テッドさんが死んでしまった後ならば、遺影になってしまったそれを抱きしめる事でもういない彼を抱きしめてるんだろうなぁ。
どちらにせよ、モモちゃんが悲しいのには変わりがないのだけど。
で、最後の動画。
最初と対になってるので、動作はほぼ一緒。前半私服で後半スーツなのも同じ理由。
初めのテッドさんは最後まで笑ってた。自分が死ぬ事を許容してたし、『もう死ぬのだから』っていうのを前提とした生き方をしてたから、笑っていられたのです。
でも、最後のテッドさんは違う。
モモと出会い、モモに恋をして、色んな事を知って幸せだと思う気持ちも知った。
だから初めて『生きていたい』と思うようになったのです。
まだ死にたくない、まだモモと一緒にいたい、そう思って最後テッドさんが泣いたんですね。
全てを諦めて生きてきた彼が、初めて『生きる事』に執着した。そんなシーン。
で、ラスト。
もうこの頃テッドさんは自力で立つ事も出来なくなっているので移動は車椅子。
それでもモモちゃんはいつもの散歩道に『二人で』出掛けた。
今までと変わらないように。変わることが無いように。
結構車椅子って重労働で、ベッドから移動させる事、車椅子を押す事、どれも大変。
ましてや相手は成人男性で重い。
ちゃんと力の入れ方や体重移動の仕方を考えれば結構楽に動かせるんだけど、それでも介護者が身体壊しがちになる重労働。
でもモモちゃんはそれでもテッドさんを連れ出したんだろうなぁ。
きっとね。ささやかな楽しみだったんだと思う。二人きりのデートの時間だから。
テッドさんの目に光が入ってないのは、もう目が見えないからです。
『視る』事が出来ないテッドさんは、桜が咲いていてもわからない。
だからモモちゃんはその花びらを手に乗せて、『触れる』事でテッドさんに教えた。
あの日、あの時、二人で見に行った桜の木。その桜がまた今年も咲いたよって。
そんな二人のヒトコマでこの物語はお終い。
最後の最期まで、モモは彼に寄り添った。その時間は決して長くはなかったけれど、それでもとても幸せだったんじゃないかな。
そんなテドモモの設定をアレコレ語っているのはここ→テドモモの設定語り - Togetterまとめ https://togetter.com/li/670611
あみだ企画第二弾です。
最初のシーンは物語の始まり。まきなちゃんがテッドさんの封印を解いた所から。
ある事情でテッドさんはその場所に封印されていた。腹に突き刺さった剣は彼を眠らせるためのもので、それを引き抜いたのがまきなちゃん。
そしてその剣は娘にしか抜くことができないのでした。
封じられていたテッドさんを解放したまきなちゃんはそれからずっとテッドさんと一緒の時間を過ごすのですが、テッドさんがそれを望んだのです。
何故なら彼にとってまきなちゃんは『獲物』でしかなかったから。
逃げられては困るので、ずっと傍に置いていた。
『私を見た貴方まるで熱いマタドール』この歌詞の通り、マタドール(闘牛士)がテッドさん。
そんなテッドさんにまきなちゃんは恋をした。
というか逃がさないためにテッドさんが彼女を誘惑したというか。
甘い言葉をずーっとずーっと囁き続けて、彼女の心が自分から離れていかないように。虜になるように。
そこに情など全くなかったのだけれど。
『きらびやかに舞い踊れば高鳴る胸 二度と来ない刻の色を染めるエピソード』
その歌詞通り、まきなちゃんにとってテッドさんとの恋はたった一度だけの大切なものだった。
テッドさんがまきなちゃんを傍に置いておきたかった理由はただ一つ。彼女を『盾』にするため。
封印が解かれた事に気付いたカイトがまた彼をふうじこめにやってくる。
けれど天使のカイトは『か弱き者』である人の娘に危害を加えられない。だから絶好の『盾』になるわけです。
恋をしたまきなちゃんは全身でテッドさんを守ろうとする。彼女を傷つける事が出来ないカイトはただ見ている事しか出来ない。
すべてテッドさんの思うつぼ、というわけ。
手出しが出来ないまま、まんまとテッドさんに逃げられてしまうカイトだったけれど、見送ったその表情が悲しげなのは彼にも事情があったから。
カイトの本当の目的はテッドさんを封じる為じゃない。親友だった彼を救うため。
遠い、遠い昔に起きた悲劇をカイトは知っているから。その悲しみを未だにテッドさんが抱えつづてけているのがとても悲しかったのです。
そしてカイトはテッドさんからまきなちゃんを引きはがすために説得に入る。
どんなに恋をしても彼女の想いはテッドさんに通じない。
ここも歌詞のまま、カイトは願いを叶えるために進み、まきなちゃんはテッドさんとの『恋』という『夢』を見ていた。
まきなちゃんの恋が叶わない理由は一つ。テッドさんは昔の恋人を忘れていないから。
一瞬だけ出てくるこのシーンはテッドさんが『堕ちた』理由。だからまだ羽根が白いのです。
昔、テッドさんはカイトと同じ真っ白の翼をもった天使だった。けれど恋人が殺され、その憎しみと悲しみですべてを呪うようになってしまったのです。
テッドさんは恋人を奪った『世界』を憎み、滅びを望んだ。
すべてを焼き尽くす炎はまだ彼が恋人を愛している証。それを知ったまきなちゃんは見るたびに自分の想いが彼に届かない事を痛感するのです。
どんなに愛していると囁いても、どれだけ抱きしめても、彼の心には届かない。彼が愛しているのはたった一人だけ。
それが酷く悲しかった。
すべてを知ったまきなちゃんは悩み続けるんですね。
『悲しみ知るほど潤う 月は今日も輝く ひらひら揺れながら』はまきなちゃんの気持ち。
ひらひら、ゆらゆら、揺れる恋心。
テッドさんの癒えないままの傷。そのまま放置すれば世界が滅ぶ。
だからカイトはテッドさんを封じなきゃいけない。テッドさんの力に対抗できるのはカイトだけで、だから何度もテッドさんの所にやってくる。
テッドさんも封じられるわけにはいかないとバトルになるわけです。
そうしてまきなちゃんが下した決断。それはカイトの言う通り、再びテッドさんを封じる事。
自分ではテッドさんを癒してあげる事は出来なかった。
彼を救うことは出来なかった。
こっそり持ち込んだカイトの剣。
実はこの剣自身がカイト本人で、テッドさんの傍に近付くためにまきなちゃんに持って行かせたのです。
テッドさんに警戒されないように、その隙をつくために。
目論見通り、まきなちゃんだけだと油断したテッドさんはカイトに気付かず、接近を許してしまう。
まきなちゃんがナイフを刺す直前にカイトは具現化し、彼の腹に剣を突き刺した。
具現化したのは彼女に『封印させる』という罪をかぶせないため。恋心がまだ残ってるまきなちゃんに『自分がやった』と思わせないためです。
彼女はただ巻き込まれてしまっただけだから。
けれど、封印される直前。テッドさんはまきなちゃんをまっすぐに見て手を伸ばした。
今まで一度だって彼女を見た事はなかったのに、最後の最後でテッドさんは本心を見せたんです。
愛してくれたまきなちゃんにテッドさんも惹かれてた。最後の最後でその顔を見せてくれた。
そしてテッドさんは知りたかった。まきなちゃんが自分を騙して封印しようとしたのかと。
まだ彼女が自分のことを愛してくれているのかと。
当然まきなちゃんは未練があるので躊躇いなくテッドさんの手を取った。
まだあなたを愛している、と想いを込めて。
それを聞いたテッドさんは安心して再び封印の眠りに落ちていったのです。
少女が開けてしまった封印の扉は、少女の手によって封じられた、そんな物語でした。
で、補足。
封印の剣がカイト自身なわけですが、その為カイトも一緒にテッドさんと封じられている事になります。
だから剣を抜けばカイトもまた目を覚ますわけなんだけど、そこからテッドさんの所に来るまで時間が経っています。
カイトの願いはテッドさんの心を癒すこと。だからその候補となる女だけが封印を解けるようになっているのです。
娘がテッドさんを癒す事が出来るかどうか。それを見ていたと。
二人をずっと見ていたけれど、テッドさんの破壊行動は全く収まる事はなく、この子では駄目だったのか、とカイトがやってきた、というわけです。
ちなみにテッドさんが封印される事になった事件を語っているのはここ
【テドイア】天の冠 - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1085401